はじめに
Dockerを管理するツールとしてRancher Desktopを使えるようにする方法を説明します。
Rancher Desktopを使う理由
- Docker Desktopの有料化の影響
Dockerの管理ツールとしての候補としては Docker Desktop があります。
公式ツールなので、機能が十分であったり、サポートプランがありますが、
ただ、Docker Desktopをつかう場合には、条件次第でライセンス費用1が発生します。
比較的大きめの事業をされている企業での利用や、所属企業でRancherを利用しているので環境を揃えたい場合などに利用する理由になりえます。
- Dockerの管理操作のための十分な機能
Dockerの管理のための機能が十分に備わっています。
- GUIによる直感的な操作
- docker コマンドなどが付属されており、CLI操作も利用可能になる
- コンテナイメージの管理操作、kubernetesの操作・環境利用
インストール
Docker Desktopなど他管理ツールの削除(インストール済みの場合)
Docker Desktopなど、他の管理ツールをインストール済みの場合に必要です。
事前に削除するのをお勧めします。
Docker Desktopに付属しているdockerコマンドと重複したり、機能の衝突で正しく動かなくなる可能性があるためです。
Windowsの場合
コントロールパネルからプログラムのアンインストールをしてください。
コントロールパネル=>プログラム=>プログラムのアンインストール を選択します。
ダイアログが開き、中にアプリケーションの一覧があるので、その中からDocker Desktopを選択し「アンインストール」をクリックします。
さらに表示されるダイアログから削除の確認をされるので「はい」を選択して削除を実行します。
Macの場合
Docker DesktopのアプリをMacのアプリ一覧からゴミ箱に移動させます。
Finderを開き、左側の一覧から「アプリケーション」を選択します。
アプリケーションの一覧から「Docker Desktop」を選択肢、ゴミ箱み移動させます。
不要であればゴミ箱を空にしてファイルを削除してください。
インストーラーをダウンロード
以下のサイトからインストーラーを取得し、アプリケーションをインストールします。
自分の環境(Mac、Windowsなど)にあったインストーラーを選択し、ダウンロードを開始します。
インストーラーの実行
ダウンロードが完了後、インストーラーを実行します。
承認や設定を確認後、インストールを開始します。完了するまで待ちます。
システム変更の確認が出る可能性がありますが、基本的には承認して継続します。
(管理者権限の確認や、WIndowsサブシステムの権限変更のため。その他の不審な確認があった場合は注意や中断をしてください)
完了した後、設定反映のための再起動を促されますので、準備してから再起動します。2
起動、初期設定
アプリケーションを起動します。
以下のような画面が出てくると思います。
初期設定のまま問題ないので今回はこのまま進みます。
(必要がある場合は応じて変更してください。)
以下の画面になれば起動完了です。
Dockerを動かすための環境としてRancher Desktopの起動している状態が必要になります。この状態で完了です。
動作確認
Dockerが使えるようになっていることを確認します。
以下のコマンドは例です。LinuxのDockerが起動できるようになったことを確認します。
docker run --rm rockylinux:9.3-minimal echo hello rancher Unable to find image 'rockylinux:9.3-minimal' locally 9.3-minimal: Pulling from library/rockylinux 8ec988941d66: Pull complete Digest: sha256:305de618a5681ff75b1d608fd22b10f362867dff2f550a4f1d427d21cd7f42b4 Status: Downloaded newer image for rockylinux:9.3-minimal hello rancher
dockerコマンドが正常に実行できたので成功です。
補足:
Rancher Desktopが起動していないと、以下のようにエラーになります(docker daemonに接続できないエラー)。
>docker run --rm rockylinux:9.3-minimal echo hello rancher docker: error during connect: in the default daemon configuration on Windows, the docker client must be run with elevated privileges to connect: Head "http://%2F%2F.%2Fpipe%2Fdocker_engine/_ping": open //./pipe/docker_engine: The system cannot find the file specified. See 'docker run --help'.
[option] 詳細設定
Macの場合、設定に「Virtual Machine」という項目があります。
環境に応じて設定を変更してください。
設定の推奨や意図については以下の通り。
設定タブ名 | 設定値 | 説明 |
---|---|---|
Hardware | Memory: 8, CPU: 4 | dockerを使用するときに使うリソースの上限。利用状況やホストPCの性能と相談 |
Volumes | virtiofs | Apple仮想化を利用してファイルパスを共有ディレクトリとしてマウント。EmurationでVZを利用しているからも理由。 reverse-sshfsだとssh経由でのマウントのため、セキュアだがファイル操作に制限がある(権限変更など)。特に操作が不要なら他の設定でも可 |
Emuration | VZ | Apple仮想化システムを使う設定。 古いMacOS(12.3以下)を使っていた時にQEMUを使うとメモリ不足に陥る事象があった時の名残3 |
最後に
以上で設定は完了です
- 2025年時点では250名以上または年間収益$10,000,000以上の商用利用の場合に適応。2021年8月31日から有効(2022年1月31日まで猶予)。 https://www.docker.com/ja-jp/legal/docker-subscription-service-agreement/↩
- 何も考えずに再起動実行をOKしてしまうと、別アプリやブラウザの作業中のデータが消える恐れがあります。私のように。↩
- https://github.com/lima-vm/lima/issues/795↩